Last Updated on 2025年1月3日 by 渋田貴正

不動産管理会社の収益の計算方法

個人で所有する不動産の収益を個人から法人に移転するために不動産管理会社を設立する場合に重要なポイントの一つが、どのように不動産管理会社の収益を決めるかということです。

不動産管理会社が不動産から収益を上げる方式として大きく分けて以下の3つの方法があります。

運営方式 内容 不動産の所有者
管理委託方式 所有者である不動産オーナーが不動産管理会社に管理業務を委託する方式。 社長個人のまま
一括賃貸方式 不動産管理会社がオーナーから物件を一括で借り上げ、自ら賃貸業者として運営する方式 社長個人のまま
不動産保有方式 不動産管理会社が物件を所有者である社長から所有権移転を受け、自ら所有する方式。 不動産管理会社

 

不動産管理会社の各方式における収益や費用の範囲

それぞれの運営方式で、オーナーがほかに事業を行っていないとした場合、不動産所得や法人税の計算における収益や費用となる主な項目は以下の通りです。

 

運営方式 オーナー個人(所得税) 不動産管理会社(法人税)
収益 費用 収益 費用
管理委託方式 賃借人からの個別の家賃収入 減価償却費、保険料、固定資産税、不動産管理会社への管理費用、リフォーム費用 など 不動産管理報酬 管理に係る人件費
一括賃貸方式 一括家賃収入 減価償却費、保険料、固定資産税、リフォーム費用 など 賃借人からの個別の家賃収入 管理に係る人件費
退去時費用
不動産保有方式 賃借人からの個別の家賃収入 減価償却費、保険料、リフォーム費用 など

 

 

それぞれの方式のメリットやデメリットを簡単にまとめると以下の通りです。

運営方式 メリット デメリット
管理委託方式 業務量が少ない 個人と不動産管理会社での所得分散効果が低い
一括賃貸方式 個人側では賃料が一定になるため、タックスコントロールがしやすい 業務量が多い

空き室のリスクを不動産管理会社が負うことになり、空き室が多いと不動産管理会社が赤字になり所得分散効果が低くなる

不動産保有方式 物件が完全に法人に移行するので、税金の管理が明確になる 所有権移転登記などの初期コストがかかる

物件のための借入金が残っている場合には金融機関との交渉が必要になる可能性がある

上記のように、それぞれの方式でメリットやデメリットがあり、結局どの方式で不動産管理会社を運用するのかということは不動産所有者である社長の収入状況や不動産管理会社の目的次第です。

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