遺産分割協議成立後に、印鑑証明書回収前に相続人の一部が死亡した場合

遺産分割協議の話し合いがまとまり遺産分割協議書を作成し全員の実印も押印し、あとは不動産登記や口座解約の手続きをするだけという段階で、不幸にも一部の相続人が死亡してしまうことがあります。

この場合、生前に印鑑証明書を受領しておけばその後一部の相続人が死亡したとしても、生前に作成した遺産分割協議書に基づいて手続きを行うことは可能です。

しかし、死亡した相続人が何らかの事情で印鑑証明書を添付してこなかった場合には相続登記や金融機関の手続きを取ることができません。そのため、この場合は死亡した相続人の相続人(以下二次相続人といいます)から改めて遺産分割協議書に二次相続人の実印を押してもらう必要があります。

二次相続人から遺産分割協議書への実印押印と、印鑑証明書の取得がスムーズにできれば何ら問題なく手続きは進められます。

二次相続人から遺産分割協議書への実印押印の協力が得られない場合

上記のようにスムーズにいくケースもありますが、中には遺産分割協議に協力したくないということで押印を拒んでくる二次相続人もいます。この場合どのような手段を採るべきでしょうか?

まず遺産分割協議の調停という手続きがあります。これは遺産分割協議がまとまらないときに行うべき手続きです。しかし、上記のようなケースでは遺産分割協議自体は成立しているけど、手続きをとるための印鑑証明書が得られなかったというケースです。そのため、遺産分割協議の不調を前提とする調停の対象にはなりません。

印鑑証明書は遺産分割協議の成立の条件ではなく、相続登記や口座解約をするための手続き的な面での書類となりますので、印鑑証明書がなかったからといっても、相続人全員の協議の上成立した遺産分割協議書は有効です。有効な遺産分割協議書がある以上、調停するということはできないということです。

そのため、本件では遺産分割協議が有効だったことを確認する訴訟を行うことになります。押印を拒んでいる二次相続人に対して、相続人が生前行った遺産分割協議が有効であることが認められれば、その勝訴判決書を二次相続人の印鑑証明書代わりにできます。

この場合必要なのは、登記手続きを求める訴訟ではありません。訴訟で遺産分割協議書そのものの有効性が認められれば二次相続人が出る幕はありません。

いったん成立した遺産分割協議書について、二次相続人が非協力的であるといったケースでは専門家に相談しながら方法を模索していくことをオススメします。

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