Last Updated on 2023年1月9日 by 渋田貴正
贈与税の基本
贈与税は、個人から個人に対して財産を贈与した場合に課税される税金です。意外と基本的な点が忘れられがちですが、個人が贈与を受けるだけでなく、贈与する側も個人である場合に贈与税の課税対象となります。
| 贈与者 | 受贈者 | 受贈者に課税される税金 |
| 個人 | 個人 | 贈与税 |
| 個人 | 法人 | 法人税 |
| 法人 | 法人 | 法人税 |
| 法人 | 個人 | 所得税(住民税) |
受贈者の国籍や住所と贈与税の課税関係
贈与を受ける人が国外に住んでいる場合には、贈与税の課税に一定の制限があります。
具体的には、贈与者が贈与前10年以内に国内に住所を持っておらず、かつ受贈者が日本国籍がない、または贈与前10年以内に国内に住所を持っていない場合には、国内にある財産のみが贈与税の課税対象となります。裏を返せば。上記に該当しない場合には、日本国内にある財産以外の財産を贈与した場合にも贈与税の課税対象になるということです。
| 受贈者が贈与時に国内住所 | |||||||
| あり | なし | ||||||
| 日本国籍 | |||||||
| あり | なし | ||||||
| 贈与前10年以内に国内住所 | |||||||
| あり | なし | ||||||
| 贈与者が 贈与時に国内住所 |
あり | 国内財産と海外財産が課税対象 | |||||
| なし | 贈与前10年以内に国内住所 | あり | |||||
| なし | 国内財産と海外財産が課税対象 | 国内財産のみ課税対象 | |||||
日本国内に居住していれば、贈与する対象財産がどの国にあったとしても、日本国内で課税対象となります。
贈与税の計算(相続時精算課税のケースを除く)
贈与税率は、一般贈与と特例贈与で分かれていて、特例贈与のほうが税額が低く設定されています。特例贈与とは、1月1日時点で18歳以上(未成年者でない)の者が直系尊属から受ける贈与を言います。配偶者からの贈与や、配偶者の親(直系姻族)からの贈与は特例贈与には該当しない点に注意が必要です。
贈与税の基礎控除額は一律110万円に設定されています。
贈与税は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与の合計に税率を乗じて控除額を引くことで計算します。
一般贈与
| 基礎控除後の課税価格 | 税 率 | 控除額 |
| 200万円以下 | 10% | ‐ |
| 300万円以下 | 15% | 10万円 |
| 400万円以下 | 20% | 25万円 |
| 600万円以下 | 30% | 65万円 |
| 1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
| 1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
| 3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
| 3,000万円超 | 55% | 400万円 |
特例贈与
| 基礎控除後の課税価格 | 税 率 | 控除額 |
| 200万円以下 | 10% | ‐ |
| 400万円以下 | 15% | 10万円 |
| 600万円以下 | 20% | 30万円 |
| 1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
| 1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
| 3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
| 4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
| 4,500万円超 | 55% | 640万円 |

司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。合わせて、複数の資格を活かして会社設立や税理士サービスなどで多方面からクライアント様に寄り添うサポートを行っている。
