Last Updated on 2025年1月11日 by 渋田貴正

未成年者特別受益者に該当する場合

相続人に未成年者がいれば、通常であれば特別代理人を選任して登記手続きを行うことが必要です。未成年者が相続人の場合、法律行為を行うためには原則として特別代理人の選任が必要です。未成年者は法律上、単独での法律行為を行う能力が制限されており、親権者が代理人となることが一般的です。しかし、親権者自身が相続人である場合には利益相反関係が生じるため、家庭裁判所に申し立てて特別代理人を選任する必要があります。

この特別代理人が、未成年者を代理して遺産分割協議への参加など相続手続きを進めることになります。

しかし、もし未成年者である相続人が、被相続人から生前にすでに相続分以上の贈与を受けているなどの場合は、特別受益として相続登記が可能になる場合があります。特別受益とは、他の相続人と比較して相続財産の公平性を保つ観点から設けられている制度であり、被相続人が生前に相続人に対して贈与や経済的支援を行った場合に、その分を相続分に加味して考慮する制度です。たとえば、被相続人が未成年の子どもに生前、教育費として多額の資金を提供した場合や、不動産を贈与した場合には、その分を「特別受益」として相続分から差し引くことになります。

未成年者特別受益者に該当する場合の登記手続き

未成年者が相続人の場合、通常であれば未成年者を代理する特別代理人を家庭裁判所に申し立てて選任する必要があります。特別代理人は、未成年者の利益を保護しつつ、相続手続きを進めます。

しかし、未成年者特別受益者に該当する場合は、以下のような証明書を作成して、法務局に提出することで対応することも可能です。

特別受益証明書

被相続人 xxxx
生年月日 xxxx年x月x日
本籍 xxxxxxxxxxxxxx
最後の住所 xxxxxxxxxxxxxxxxx

私は、xxxx年x月x日に死亡した被相続人xxxxの相続人ですが、被相続人の生前、既に相続分以上の贈与を受けています。

したがって、xxxxの相続について、私には相続分がないことを証明します。

xxxx年x月x日

住所 xxxx
氏名 xxxx (実印)

この場合でも、未成年者である相続人の実印が必要になるなど、少なくとも印鑑登録ができる年齢、つまり15歳以上である必要があります。また、もちろん未成年者特別受益者に該当している必要があることは言うまでもありません。

相続登記において、未成年者特別受益者であるケースは非常に専門的であり、法律の解釈や家庭裁判所の手続きが絡みます。ご自身で手続きを進めるのはリスクが伴うため、相続問題に精通した専門家に相談することを強くおすすめします。当事務所では、経験豊富な専門家が適切なアドバイスを提供し、スムーズな手続きをサポートします。相続人に未成年者がいる場合の相続登記については、ぜひ当事務所にご相談ください!