遺贈の形態あれこれ

遺贈といえば包括遺贈と特定遺贈という形態があるということはよく知られています。ざっくりいえば、遺産の割合で指定する場合は包括遺贈、特定の財産を遺贈する場合は特定遺贈となります。

このように遺贈を受ける者(受遺者)がどんな遺産を受け取るかということで分けられるほか、遺贈に条件を付けるなどすることも可能です。

最もよくあるのが負担付遺贈です。この負担付遺贈のほかにも、遺贈の方法によっていくつかの方法があります。

条件付遺贈

条件付遺贈とは、遺贈に条件を付けることです。条件付遺贈は2つのパターンに分かれます。まずは停止条件付遺贈です。これは「Aが婚姻した場合に、Aに甲不動産を遺贈する。」のように遺贈の効力発生に条件を付けることです。

もう一つは解除条件付遺贈です。「Aに甲不動産を遺贈する。ただし、Aが甲不動産を売却しようとした場合には上記遺贈は効力を失う。」といったように、一旦有効になった遺贈を、とある条件をもとに失効させる旨の遺贈です。

期限付遺贈

期限付遺贈とは、確実に到来する時期を遺贈の効力発生日(または効力消滅日)とするものです。確実に到来するということで、条件を満たすかどうか不確定な条件付遺贈と異なります。

「遺言者の死亡後3年経過した日にAに甲不動産を遺贈する。」というように遺贈の効力発生日を定める始期付遺贈と、「遺言者の死亡後5年間のみ、家賃収益をAに遺贈する。」というような終期付遺贈があります。

跡継ぎ遺贈

跡継ぎ遺贈とは、「Aに甲不動産を遺贈する。ただし、Aが死亡した後はその子であるBに甲不動産を遺贈する。」というように、条件や期限を定めて第2次受遺者を定める方法です。この場合、一旦Aに甲不動産の所有権が移転しますが、Aが死亡するとBに所有権が移転します。Aとしてはせっかく遺贈で取得した不動産の処分が自由にできなくなるといったことがありますので、跡継ぎ遺贈ではなく、受益者連続型信託の形態が採られるのが一般的です。

予備的遺贈

予備的遺贈とは、第1次受遺者が遺贈を放棄したり、先に死亡したりした場合に備えて、第2次受遺者を定めておくことです。遺贈には代襲相続のような制度が存在しないため、遺言書の中で決めておくということです。「Aに甲不動産を遺贈する。ただし、Aが遺言者の死亡以前に死亡し、又は遺贈を放棄した場合には、その子であるBに甲不動産を遺贈する。」といった定めになります。

跡継ぎ遺贈は、まずは第1次受遺者に権利が移転しますが、予備的遺贈では直接第2次受遺者に権利が移転するという点で異なります。