Last Updated on 2025年1月28日 by 渋田貴正
不在住・不在籍証明書とは?
厳密にいうと、不在住・不在籍証明書と一つにまとめていうことが多いですが、不在住証明書と不在籍証明書は別々の証明書です。それぞれの証明書の簡単な説明は以下の通りです。
不在住証明書 | 特定の住所に「現在」その人物が住んでいないことを証明する書類です。たとえば、登記記録が古い住所のままになっている場合に、記載されている住所に、その所有者がもう住んでいないことを証明したい場合に使用します。 |
不在籍証明書 | 証明の対象となる者と本籍地の組み合わせについて「現在」該当する戸籍がないことを証明します。法務局が住所の真偽を確認する際、不在籍証明書は「その住所に現在の戸籍登録がない」ことを示します。特に昔は本籍地と住所の表記が一致しているケースも多いので、不在籍証明書も取得しておく必要があります。 |
不在住証明書、不在籍証明書は、相続登記や不動産登記の手続きで住所の履歴を補完するため、同時に取得されることが多いです。
相続登記で不在住・不在籍証明書が必要になるケース
相続登記で不在住証明書、不在籍証明書が必要になる場面としては以下のようなケースが考えられます。
- 登記簿上の住所が古い場合
登記簿に記載された住所が現在の住民票と一致しない場合、その住所が現在の居住地ではないことを証明する必要があります。そのために不在住証明書を取得します。 - 住民票だけでは住所のつながりが証明できない場合
住民票の除票や戸籍の附票を確認しても、住所の履歴がつながらない場合に補完的な証明書として利用します。
不在住・不在籍証明書の注意点としては以下のような点があります。
- 過去の住民登録状況を証明するものではない
不在住・不在籍証明書は、現在その住所に住んでいないことを証明する書類です。過去の住所履歴を確認したい場合は、住民票の除票や戸籍の附票を利用する必要があります。 - あくまで補足的な書類
不在住・不在籍証明書は、単独で使用するのではなく、住民票の除票や附票と組み合わせて使用することで、住所の履歴を証明する役割を果たします。
ただし、所有権を取得した当時の権利証が残っている場合などは、その権利証に記載された住所が登記記録と一致していれば、所有者の住所証明となりますので、不在住証明書や不在籍証明書の取得は不要となります。当時の権利証を所有しているということは所有者の相続人であるということが間接的に確認できるためです。
不在住・不在籍証明書の取得方法
不在住・不在籍証明書を取得するには、以下の手順を踏みます。
申請先
登記簿に記載されている所有者の住所地の市区町村役場で申請します。
必要書類
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 登記簿や証明書を取得する理由を示す書類(必要に応じて)
- 手数料(市区町村ごとに異なります)
発行までの期間
申請してから、即日または数日で発行されることが一般的です。

司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。合わせて、複数の資格を活かして会社設立や税理士サービスなどで多方面からクライアント様に寄り添うサポートを行っている。