いろいろな「ほしょう」

相続では代償分割という方法があります。ここで出てくる「償」という漢字ですが、「償う」という言葉で使われます。相続財産を受け取る代わりに、その「償い」として自分の財産をほかの相続人に渡すということで「代償」という言葉が当てられています。

また、別の場面では、損失を補償するという言葉が使われたりします。このときの「補償」は「保障」や「保証」ではありません。このように、「ほしょう」というといろいろな場面で使い分けが必要になってきます。そこで、今回はいろいろな「ほしょう」についてまとめてみました。法律的な場面以外にも、日常的にも使う言葉なので知っておいても損はないと思います。

「保証」「保障」「補償」の使い分け
意味 使用例
補償 損失などを埋め合わせること(主に適法な行為で発生した損失の場合に用いる) 労災の補償、土地収用による補償
保証 相手に対して発生した、または発生するであろう損失を引き受けること(担保とほぼ同じ意味) 身元保証、債務保証
保障 相手の地位や利益などを保護すること 身分の保障、生活の保障、社会保障

このように3つの「ほしょう」を並べてみると、それぞれ全く異なる意味を持っていることが分かります。例えば「絶対成功すると保証しろ」ということは、法律的に解釈すれば「成功しなかったら、それによって生じた損失を引き受けなさい」という意味を含んでいるということです。

大雑把にいえば、「補償」は何か起こった後の財産的補填、「保証」は何か起こる前の保険的なもの、「保障」は立場や利益を守るために作られた制度的なものといった感じでしょうか。

正直なところ日常レベルではあまり気にもしないところですが、例えば「労災保険による保障」みたいに書いてしまうと意味が通らないということで、専門家としては場面にあった「ほしょう」という言葉をしっかりと使い分けするように気を配っている次第です。

👉無料相談はここをクリック