資本金1円の、いわゆる1円会社

最近では結構少なくなってきましたが、資本金1円でも会社は作れますか、といった相談を今でもたまに受けます。
私は、「制度上はできますが、意味がないのでやめた方がいいですよ。」とお答えしています。

まず、今となっては随分前になりますが、会社法ができたことで1,000万円や300万円の最低資本金制度が撤廃されました。それに伴って資本金の制限がなくなったことから、1円会社なんて極端なハナシがでてきました。

私も平成20年くらいに読んだ起業本で、「私も資本金1円で会社を作りました。当時はお金もなかったので、売上が立つまで事務所や光熱費の支払いは貯金を切り崩しての支払いで大変でした。」みたいなことが書いてありました。

設立時の資本金は、会社の元手です。上記の例は、会社の財布と代表者の財布がごっちゃになっているいい例ですね。普通は、たとえば売上が立つまで3か月だとしたら、資本金や借入金などで支払いを賄います。上記の例は1円で会社を作っても、その後何とか軌道に乗せましたといったことが言いたかったのだと思いますが、すぐに貯金から賄うというのは、結局資本金か、代表者個人から会社への貸付金のどちらで経費を払っていたのかの違いにすぎません。
本当に1円だけを元手に売上を上げるなんてまず不可能です。メルマガやアフィリエイトで稼ぐのだって、通信費とか電気代はかかります。
1円パチンコでいきなりフィーバーみたいにビジネスは行きませんよね。

まあ、つまり1円会社なんて話のネタにはなっても、経営の面からいえば、何もすごいことでも、節約になるわけでもありません。
むしろ、会社を作るのであれば、会社と個人の財布をしっかり区別するためにも、資本金は必要分出すべきでしょう。
例えば一人で会社を設立する場合は、資本金ってお金の持ち主が社長個人から会社に代わるだけで、どっかに掛け捨てでなくなってしまうお金ではないですし、登録免許税だって、2,200万円くらいまでは、1円だろうと500万円だろうと15万円で変わりませんし。

とにかく、1円なんて言葉の響きに惑わされないで、しっかり自己資金ためてから会社を作りましょう。